ガネーシャ通信
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 インド・ガネーシャ通信 NO.567 インド中流の停滞
   
          2026年5月12日

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    tea@makaibari.co.jp

  インドをもっと知りたい方 必読!!! 

<2001年8月3日創刊>

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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。
デリー在住 インド人(前)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。

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初夏を感じる東京のこの頃です。

インド・ニューデリーの5月は1年でも
特に暑い時期で、学校は長い夏休
みに入ります。

インドは州によって夏休みが異なります。

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◇◆インド人からのインド便り No.152

インド・デリー在住 
       by-プレム・モトワニ

日印文化比較:インド中流の停滞

コロナとAIが映し出す成長モデルの限界

インドでは2011年以降、包括的な国勢
調査が実施されておらず、中流層の正
確な規模や動向を把握することは難し
い。そのため、代替的な指標として所
得税納税者数が注目されるが、納税者
は約7,500万人にとどまり(年収120万
ルピー程度まで非課税)、中流の実態
が限定的である可能性を示唆している。
しかし、近年の各種調査や経済指標を
踏まえると、中流の拡大はここ数年、
明らかに伸び悩んでいる。

特に過去5年間は大きな転換期となった。
2020年前後のコロナ禍(COVID-19)は、
都市部のサービス業やインフォーマル
部門に深刻な打撃を与え、多くの人々
が収入減や失業に直面した。その結果、
それまで中流に到達していた層の一部
が再び下位層へと押し戻される「逆流
現象」が生じたのである。

さらに近年では、AIの急速な普及が新
たな構造変化をもたらしている。イン
ドの中流成長を牽引してきたIT・ソフ
トウエア分野では、従来人手に依存し
ていたプログラミング、テスト、保守
運用といった業務の一部が自動化され
つつある。2025年後半から2026年初頭
にかけての報告によれば、インドの
ソフトウェアおよびITセクターでは
大規模な雇用喪失が発生しており、5万
人から6万人以上のプロフェッショナル
が解雇されたと推計されている。

加えて、近年は米国におけるビザ政策
の厳格化や現地採用の優先といった
動きにより、インド人IT人材にとって
海外就労の機会も以前ほど容易ではな
くなっている。これらの要因が重なり、
これまで安定した雇用と所得を提供し
てきた中流の基盤は揺らぎつつある。
その影響は実体経済にも表れている。
ここ数年、二輪車や自動車をはじめと
する耐久消費財や住宅の販売が伸び悩
んでいることは、中流の購買力が弱まっ
ていることを示唆している。

本来、中流の拡大は内需の拡大と社会
の安定を支え、持続的な経済成長の中
核をなす。実際、日本、中国、韓国で
は、製造業の発展や都市化と連動して
中流層が厚みを増し、それが消費市場
の拡大と産業高度化を後押ししてきた。
中流の形成が経済発展の重要な原動力
として機能してきたことは広く指摘さ
れている。

これに対してインドでは、サービス業
主導の成長構造や雇用の不安定性、
教育・スキルの格差といった要因が重
なり、中流の安定的な拡大が難しい状
況にある。コロナ禍による一時的なショッ
クに加え、AIによる構造的な変化が進
行する中で、中流の停滞は一過性の現
象ではなく、成長モデルそのものの限
界を映し出しているとも言える。この
まま中流の厚みが十分に増さなければ、
内需主導の成長への転換が進まず、今
後の経済成長の持続性にも影響が及ぶ
可能性が高い。

したがって、インドにとっては単なる
GDPの拡大ではなく、「安定した中流を
いかに形成し、持続的に維持していく
か」が重要な政策課題となっている。
雇用創出力の高い産業の育成や教育の
質の底上げ、さらには技術変化に対応
したスキル開発の強化が不可欠である。
中流の停滞は一時的な現象ではなく、
経済の将来像を左右する構造的課題と
して捉える必要がある。

なお、インドは昨年、名目GDPで日本を
上回り世界第4位に達したとされるが、
為替変動や外部環境の影響を受けやす
く、直近では第6位へと後退したのであ
る。

       【了】

 

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【最後に】
1978年から1982年インド・ニューデリー
で生活しました。エアコンは寝室に1台
のみ。大きな音を出して、夜中途中で
止まります。氷がはりついているので
す。それをかき出して、又寝ます。停
電も頻繁にありました。床に水をまい
たり水風呂に入ったり・・・・・懐か
しい思い出です。

★最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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