ガネーシャ通信
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 インド・ガネーシャ通信 NO.548 なぜIndigo航空がインドの航空業界を独占しているのか!
   
          2024年10月9日

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  インドをもっと知りたい方 必読!!! 

<2001年8月3日創刊>

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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。
デリー在住 インド人(前)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。

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「私は添付の記事の通りの賞を受賞することになりました。
来月授賞式に参加する予定です。」
↓       ↓      ↓
http://www.makaibari.co.jp/mailmagazine/2024.10.9.pdf

とのメールをモトワニ先生からいただきました。

先生がいただいた賞は「デミング賞」でした。

★デミング賞 (デミングしょう、Deming Prize)は、 TQM (総合 品質管理)
の進歩に功績のあった民間の団体および個人に授与されている 経済学の賞。
日本科学技術連盟 により運営されるデミング賞委員会が選考を行っている。

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◇◆インド人からのインド便り No.132
        
       インド・デリー在住    
         by-プレム・モトワニ
        (元インド・ネルー大学教授)

 

日印文化比較 :
 なぜIndigo航空がインドの航空業界を独占しているのか

インドの航空業界を見ると、Indigo航空が61%のトップシェアで、
Air Indiaグループが28%(Air India 13.7%, Vistara 9.2%,
Air India Express 5.1%)、残りの11%がAkasa Air, Spice Jet
である。ここ10数年で、Kingfisher、Jet Airways、Go Airが倒産して
おり、国営のAir Indiaも高額の赤字で破綻寸前だったため2022年に
タタ財閥に売却されたのである。インド国内ではなく、世界的に見ても
ここ20年で14の航空会社が倒産している。そういう厳しい環境の中、
なぜIndigoだけが成功しているのかが興味深い。

2006年にできたIndigo社がまず、100機を一度にAirbus社に注文
したため、約50%の割引をもらい、その飛行機をリース会社に20%の
プレミアムで売却 (大量購入に対する仕入単価引き下げだったため、
リース会社もとてもその価格で購入できなかったため、両側にとって
ウィンウィン(win-win)のものだった)したが、リースに切り替えて
占有権を取り戻した。インドでその時Boeing社がいちばん人気の
機材で、Airbus社が急成長するインド市場に進出を狙って大安売りを
したそうである。現在、Indigo社が380機を持っていて、さらに、480機を
発注している。

第2の成功要因は、「ハブ・アンド・スポーク」システムの採用である。
この方式の下で拠点ごとの複雑な路線をハブ空港を基点として整理
している。「ポイント・トゥ・ポイント」モデルで例えば、15機が必要なのに、
6機で済むというメリットがある上、ネットワークが広がり、他の航空会社が
飛んでいない路線までをカバーできる。Indigo社が1日に2000便を運行
している。今まで累計で1000万人の乗客を運んでいる

そして、最大の成功要因は、早割運賃制度の導入、水以外に何も
無料のサービスを提供しないこと、ビジネスクラスがないこと等によって
コストに敏感なインド市場において「格安航空会社」というイメージを
定着させたことである。しかし、Indigoの運賃は決して安くない。独占
している路線は早割以外は運賃が高いし、機内サービスや座席指定、
預入手荷物など、付加的なサービスに対しては追加料金をとるため、
他の航空会社が悪戦苦闘している中、Indigoだけがコロナ禍の数年間
を除いてずっと黒字である。

最後に、他の航空会社に比べ、高レベルなオンタイム・パフォーマンスが
大きな差別化要因である。航空機が着陸して乗客を降ろしたらできる
だけ早く新たな乗客を乗せ、出発させるために、例えば、機内清掃は
着陸前に客室乗務員が済ませてしまい、清掃時間を最小限にしたり、
乗り降りを早めるために階段の代わりにスロープ式タラップ車を使用した
りしている。

要は、Indigoが使ってきた上述のやり方は決して新しいものではないが、
他のインドの航空会社の失敗要因を避けながら、インド市場の特徴を
うまく生かしたことがその成功につながったのである。少しずつ他の航空
会社もIndigoの真似をし始めている(Air Indiaも500機を一度に
発注している)が、一位と二位の差があまりにも大きいから、
キャッチアップがそう簡単ではない。

  
           (了)

 

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【最後に】
「モトワニ先生がいただいた賞について」
↓      ↓       ↓
http://www.makaibari.co.jp/mailmagazine/2024.10.9.pdf

~ネットからの情報~
日本科学技術連盟は1日、総合的品質管理(TQM)の研究などで
優れた成果をあげた企業や個人を表彰する2024年度の「デミング賞」
各賞の受賞者を発表した。個人が対象のデミング賞本賞には
安川電機会長の小笠原浩氏を選んだ。強力なリーダーシップと
グローバルな品質経営を推進し、社長時代の7年間で時価総額を
約4倍に引き上げた手腕が評価された。
TQMの研究や普及などで特徴のある業績を収めた個人を選ぶ
「デミング賞特別功労・実践賞」には、山梨大名誉教授の新藤久和氏、
インドのジャワハルラール・ネルー大元教授のプレム・モトワニ氏、
日本科学技術連盟嘱託の光藤義郎氏の3人が選ばれた。

授賞式は11月13日に東京・大手町の経団連会館で開く。
授賞式の様子はライブ配信される。

~ネットからの情報~
日本工業界の品質管理の発展に貢献したアメリカの
W.E.デミングの功績を記念して,日本科学技術連盟が設定した賞。
品質管理の理論や普及,実践に成果をあげた個人,企業に
贈るもので,1951年以来毎年1回選考委員会により選ばれている。

モトワニ先生おめでとうございます。

★最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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