ガネーシャ通信
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 インド・ガネーシャ通信 NO.542 訴訟大国インド
   
          2024年4月10日

   https://www.makaibari.co.jp
    tea@makaibari.co.jp"

  インドをもっと知りたい方 必読!!! 

<2001年8月3日創刊>

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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。
デリー在住 インド人(前)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。

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今日の東京は春のような穏やかな気候です。

インド・デリーも今年は暑かったり、寒い日が続いたりと例年とは
違った日々のようです。

今年は例年より少し遅れて桜の花が満開になる日が4月になりました。
やっと満開になったかと思ったら昨日は大嵐で花がかなり散りました。

インドは冬と夏の分かれ日である、水と色の祭りホーリーが
3月24日におわり、今は夏本番の暑い日々が続いています。

今月号の記事は訴訟大国インドです。
「このニュースは既に日本でも報道されているから読者の中でご存知の方も
いらっしゃるかもしれないが、見落としている読者のために簡単にまとめると、
・・・・・」 本文より

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◇◆インド人からのインド便り No.126
        
         インド・デリー在住  by-プレム・モトワニ
              (元インド・ネルー大学教授)

日印文化比較 :訴訟大国インド
   「バターチキンカレー」と「ダル・マークニ」の起源めぐり裁判

このニュースは既に日本でも報道されているから読者の中でご存知の方も
いらっしゃるかもしれないが、見落としている読者のために簡単にまとめると、
北インドの定番カレーで日本を含め世界的にも有名な「バターチキンカレー」と
黒い豆のカレーの「ダル・マークニ」の発祥の店であることを主張する二つの
レストラン(1947年に創業した老舗店「モティマハル」と、2019年に開店した
料理店「ダリヤガンジ」)が権利をめぐって法廷で争う事態に発展している。
2回目の審理が5月に行われることになっている。

しかし、日本で報道されていないのは、両レストランの現在の経営者は、
「モティマハル」を創業した3人のパートナーのうちの2人の子供たちで、第二
世代である。親が亡くなった後、別れることになり、その一人が2019年に
「ダリヤガンジ」というレストランを創業したのである。どちらもレストランチェーンで、
S N S上で自分の店こそが元祖であると主張している。そこで、老舗モティマハルが
ダリヤガンジに対して商標権侵害訴訟を起こした。当事者はそれぞれの父親が
これらの料理を発明したと主張している。創業者は二人とも既に亡くなっているため、
どうやって自分の主張を証明するかが興味深い。財産をめぐって相続争いは
よく聞くが、料理の起源を裁判で争うのが多分初めてではないかと思う。
インド人は、その議論好きの国民性も影響してか、訴訟大国と言われる。
それは、2023年末に、インドのあらゆるレベルの裁判所において、あらゆる
種類の訴訟係属中の総数が5,000万件を超えるということからわかる。

地裁・高裁で30年以上係属中の裁判が16万9000件もある。
こういう事態は、インドで馬鹿げた訴訟が少なくないためである。
例えば、一昨年ある人は自分が古代のアグラ連合州の相続人であると主張し、
デリーの郊外にあるクトゥブ・ミナール(1192年に建てられたインド最古のイスラーム
遺跡)が建つ土地は自分のものだと言った。当然彼が敗訴し、高額の罰金まで
払わされた。
インドに1970年ごろからPIL(Public interest litigation公益訴訟)制度があり、
過去40年間に生活条件の改善、汚職防止、大気汚染・水質汚染の改善、
社会的弱者の置かれた条件の改善など大きな成果を上け゛てきたが、同時に
乱用されていることもよくある。例えば、州都移転の中止を求める訴訟や新型
高速鉄道の運行中止を求める訴訟等々。最高裁によると約40%のP I Lは
軽薄なものである。最高裁の裁判長は再三「私たちは毎日、このような膨大で
軽薄な請願に目を通し、貴重な司法時間を浪費している。P I Lの乱用をやめて
欲しい」述べてきた。だから、P I Lをハ゜フ゛リシティのための訴訟
(Publicity Interest Litigation),あるいは私的利益のための訴訟
(Private Interest Litigation)と揶揄することもよくある。

しかし、国民性はそう簡単に変えられない。だから、カレーの起源をめぐる裁判が発生する。

           (了)

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【最後に】

20年前から石井家族の誰かがインドの我が家に滞在する時、かならずブログを
配信することが約束でした。最近いろいろな方々が昔の石井家族のブログを
見てくださっていることがわかり、ガネーシャ通信読者の皆さまにも読んでいただきたく
今号からご紹介いたします。今でも変化のないインドの日常です。
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4月号は「面白インディア」です。
「お猿のチョキダル」 「6ルピー」 「なぜそこに」 「まぼろしリキシャワーリー」
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