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インド・ガネーシャ通信 NO.517 インド人の本音と建前 牛
2022年3月3日
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インドをもっと知りたい方 必読!!!
<2001年8月3日創刊>
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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。
デリー在住 インド人(前)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。
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ロシアがウクライナに対する軍事侵攻に踏み切って1週間。
今もロシア軍とウクライナ軍の戦闘が続いています。
多くの市民が犠牲になっている報道に胸のつぶれる思いです。
インドとウクライナは関係が深いと言われています。
ウクライナの医学大学に留学しているインド人も身近にいます。
今月の記事はインドといえば、「牛」。
この牛の問題についてです。
「2014年以来今のB J P政権になってから食肉などのため牛の
屠殺を禁止する法律が強化されたため、農村で野良牛問題が
一層深刻化してきた。」 本文より
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◇◆インド人からのインド便り No.101
インド・デリー在住 by-プレム・モトワニ
(元 インド・ネルー大学教授)
日印文化比較:インド人の本音と建前 牛
インドを訪問する日本人がいちばん驚くことの一つは、どこへ行っても
道路の上を野良牛が闊歩していることである。
しかし、野良牛がよく交通事故の原因にもなっているからインド人の
間でも長期にわたって問題視されてきたのも確かである。
近年、デリー、ムンバイのような大都会で「酪農場を町から追放」の事態が
だいぶ改善されたが、2014年以来今のB J P政権になってから食肉などの
ため牛の屠殺を禁止する法律が強化されたため、農村で野良牛問題が
一層深刻化してきた。
現在議会選挙中であるインドの最大州のU P(ウッタルプラデシュ州)で
選挙の結果を左右する問題にまで進展している。
具体的に言うと、農村でトラクターが普及することに伴って、雄牛が
畑作業でだんだん使われなくなり、一定の年齢を超えた雄牛が動物市で
売られ、イスラム教徒用や、輸出用食肉に回されている。
それ以外に雌牛も乳が取れなくなった年齢になると、貧農に放置され、
野良牛になってしまう。
当然ながら一部は、牛保護施設で保護されてきたが、前述の法律の
強化後自警団による牛を運ぶ車や人を攻撃する事件が多発した
ため放置された牛がまるまる野良牛となった。
その数があまりにも急増し、手に追えられなくなった。
一方でこういう野良牛が餌のために農場に入り、作物が大きな
被害に合っている。
その結果、農家が夜も自分の作物を野良牛から守るために、農場で
寝泊りせざるをえなくなっている。
中には野良牛に攻撃され、死亡や大怪我をする農民も少なくない。
また、野良牛が道路の真ん中に座っていることもよくあるから、夜間で
交通事故も地方で頻繁に起きている。
そして、牛肉や牛皮の輸出が完全にストップしてしまったから、大勢の人が
色を失い、地元の経済への影響も大きい。
ヒンズー教徒にとって牛が「聖なる動物」であるから、政府が牛保護政策を
打ち出したことについて、どのヒンズー教徒も異論を唱えない。
しかし、牛保護施設を新設するペースが全く間に合っていないため、
野良牛問題が大きな社会問題にまで進展し、今回の選挙の行方を
決定付ける大きな要因になるとまで言われている。
同問題の責任は、全てのステーキホルダーつまり、
・牛が役に立たなくなったから放置する農家、
・問題の度合いを事前に十分に把握しないで牛を保護する政策を導入
した政府
放置する農家と政策を導入した政府の両側にあると思う。
しかし、前述の通り牛がヒンズー教徒にとって神様とされているため、
政権が変わっても元のやり方に戻ることは、できない。
さらに、牛保護施設を数多く新設することが、野良牛の絶対数を
考えると大きな経済負担になるから、解決策をそう簡単に見出せないと思う。
(了)
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【最後に】
モトワニ先生から、オミクロン株政策について
「デリーは3月1日から全ての規制がなくなりました。
日常生活が早く正常化するといいです。」
とメールをいただきました。
デリーの「ハッピーハンター」店にもお客さまが来てくれるようになりました。
日本はどのようになるのでしょうか。
★ 最後まで読んでいただきましてありがとうございます。
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