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 インド・ガネーシャ通信 NO.538 ピンチを迎えるムンバイの「ダッバーワーラー」
   
          2023年12月13日

   https://www.makaibari.co.jp
    tea@makaibari.co.jp"

  インドをもっと知りたい方 必読!!! 

<2001年8月3日創刊>

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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。
デリー在住 インド人(前)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。

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今日の東京は、快晴です。
12月に入っても秋空が広がっています。

今月の記事は、「ダッバーワーラー」についてです。
家庭でつくったお弁当を、職場に届けてくれるサービスです。

「ダッバーワーラーは、ムンバイのローカル電車が1853年からあり、郊外をビジネス街と
結ぶ格安のサービスを提供している。
130年以上の歴史を持ち、毎日17万個から20万個の弁当箱をミスなく届けると
いうことである。」本文より

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◇◆インド人からのインド便り No.122
        
         インド・デリー在住  by-プレム・モトワニ
              (元インド・ネルー大学教授)

日印文化比較 :ピンチを迎えるムンバイの「ダッバーワーラー」

ヒンデイー語でダッバーは、「箱、容器」、ワーラーは、「屋」を意味する言葉で
ムンバイの「自家製弁当配達サービス」を指している。
なぜムンバイかというと、ダッバーワーラーがムンバイのローカル電車で弁当を運ぶため、
今でも同サービスが手頃である。因みに、ムンバイのローカル電車が1853年からあり、
郊外をビジネス街と結ぶ格安のサービスを提供している。今でさえも市内ならだいたい
10-15ルピー(18円から25円)程度である。

ムンバイのダッバーワーラーは国内だけではなく、海外でも長く注目を浴びてきた。
それは、130年以上の歴史を持ち、毎日17万個から20万個の弁当箱をミスなく届けると
いうことである。そのため、イギリスのBBC のドキュメンタリー番組で取り上げられたり、
イギリスのチャールズ3世(当時皇太子)がインド訪問中にダッバーワーラーと会いたいと
希望し現場を見学したり、ハーバードビジネススクールの研究対象になったり、インドの
ビジネススクールのゲスト講師として招かれたりするなど、注目度が高い。

ハーバードビジネススクールが同サービスをシック・シグマ(100万件の取引数に付き
エラーが3.4 件)と評価した。特に話題を呼んだのは、ダッバーワーラーがほとんど
教育を受けていない上、普通の電車(写真を参照)で弁当箱を運ぶのに、
昼食の時間の前にきちんと届けることである。実は、彼らが弁当箱を混同しないように
独自のコードを開発していて、それが現在コンピュータ化された会社のサプライチェーンに
決して劣らないということが称賛に値する。
↓      ↓      ↓ (ダッバーワーラーの様子)
http://www.makaibari.co.jp/mailmagazine/20231211.pdf

同サービスの人気の背景にヒンズー教、拝火教(パルシー教)、イスラーム教の
禁忌の問題がある。そのため、自宅で家族が調理した昼食を勤務先へ届けるという
ビジネスが成り立った。現在でもダッバーワーラーの主な顧客は、ムンバイなど大都市で
働くインド人のサラリーマンである。しかも、同サービスが今でも安価である。自宅から
勤務先の距離によるが、1か月約1000ルピー(1800円)から1500ルピー(2700円)
程度である。

しかし、コロナ禍が発生して以来、同サービスがピンチに陥っている。まず、2020年3月に
ロックダウンが敷かれたため、地方からの出身者のダッバーワーラーが田舎に帰り、ダッパー
制度開始されて以来同サービスが初めて完全に中止された。それだけではなく、ロックダウンが
解除された後も州政府がローカル電車で弁当を運ぶことを許可しなかったため、実質
昨年の半ばまでこのサービスが非常に限られていた。コロナ禍まで約5000人がこの職業に
従事していたそうであるが、現在その数が約半分になっている。一方で、最近、Zomato
のようにオンラインの料理配達アプリが盛んになったり、若者の間で宗教上の禁忌が
緩くなったり、共働きが増えていたりなどしたため、ダッバーワーラーのサービスの需要自体が
減ってきている。しかし、ダッバーワーラーも色々と工夫し、学生向けに同サービスを最近
始めている。とにかくムンバイの有名なダッバーワーラーがピンチに陥っていることは間違いない。

              【了】

 

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【最後に】

「人に運んでもらってまで家族が作ったお弁当を食べるのは、インドでは食の制限が
いろいろあるから・・・・・」とも言われています。

昼食時になると、木々の下で、同じような3段重ねのとってのついた弁当箱を開けて
皆で食べて、そのあと皆で昼寝をしている姿が、以前のインドでは日常風景でした。

 

★最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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