■ ガネーシャ通信(8) マハ・クンブ・メラの聖水 インド北部ウッタルプラデシュ州のアラハバードで1月9日から2月21日まで、ヒ ンドゥー教最大のお祭りマハ・クンブ・メラ(Maha
Kumbh Mela)が開かれています。 クンブは、不死の飲料「アムリタ」を貯える壷を意味します。伝説によれば、世界が開闢した時、神々と鬼神(阿修羅)たちは一緒に混沌たるミルクの大海を攪拌してアムリタを抽出しました。 メラは祭りを意味していて、クンブ・メラはこれら4つの土地で、それぞれ12年おきに開かれます。中でもガンジス川、ヤムナ川、そして地下を流れるといわれる不可視のサラスヴァティー川が合流するアラハバードで開かれるクンブ・メラは特に人気 があるのです。3つの川の合流点(サンガム)を目指し、老若男女がインド国内から だけでなく、海外からも集まってくるのです。 今年のクンブ・メラは特に霊験あらたかなため、マハ(偉大なる)・クンブ・メラ と呼ばれます。期間中に数千万人が川で沐浴するとのことで、ポール・マッカートニーやマドンナがお忍びでアラハバード入りしているといううわさもあります。しか し、主役はサドゥーと呼ばれる遊行者たちです。髪の毛や髭がぼうぼう、全身灰まみれで素っ裸のサドゥーが、片足で立ったまま、片腕を上げたまま、逆立ちをしたままという修業姿が見られます。はたまた欧米で成功し、携帯電話やデジタル・ビデオ・ カメラ片手に参加しているサドゥーもいます。 人が集まれば市の立つのが世の習い。花、数珠、線香、甘物、竹笛…、ありとあらゆる物が道端で売られていて、最も売れているのが聖水用ポリ容器でした。冷たい川に膝までつかりポリ容器に水を詰めて、デリーまで持ち帰りました。不死を信じて微笑みながら敬虔あらたかなる水を飲み干したいところですが、いくら長く住んでいて もインドの水になじみ切るのは難しい技。聖なる水をまじまじとながめながら、マカ イバリ紅茶をすすっています。 (By 石井 吉浩) |
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