GQ JAPAN GQ JAPAN 2003.September
そのマカイバリ茶園の主・S・K・バナジー氏(56歳)がこのほど来日、京都、静岡と日本の茶園を精力的にみて廻った。マハラジャ、京田辺に現る。その目的は、玉露造りの研修のためだ。 紅茶造りに関しては33年のキャリアを持つバナジー氏が、「ぜひ、グルー(尊師)に学びたい」と教えを乞うたのは、手もみ玉露名人・山下寿一氏(69歳)。山下氏は、玉露名人日本一の栄冠に輝くこと23回、という稀代の天才職人。紅茶造りを通じて茶葉の心を知るバナジー氏の熱意に応え、連続6時間半にわたって、玉露造りの製法を伝授したという。技術のみならず、山下氏の誠実さ、純粋さに物言えぬほどの感動を覚えたというバナジー氏は、今後、ダージリンでの玉露造りに並々ならぬ熱意を持って取り組むとのことだ。 まさにダージリン紅茶のような、フレッシュで力強く、新しい芳香を持つ玉露。アメリカ、そして日本。寿司のマーケットがこんなに拡大している今、私の造る玉露マーケットにも可能性が広がっている。そう思いませんか?」 |