ダージリン・マカイバリ紅茶農園から届く、紅茶のメールマガジン「マカイバリ紅茶通信」

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マカイバリ紅茶通信

マカイバリ紅茶農園から届く紅茶のメールマガジン「マカイバリ茶園通信」。マカイバリ茶園主からの手紙や、マカイバリ茶園の紅茶のこと、シュタイナーのバイオダイナミック農法、そしてニューデリー駐在員からのインド情報など、旬の話題を盛りだくさんでお届け中です!

 

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ダージリン・マカイバリ紅茶通信
11号 2001年10月6日   バイオガス

 こんにちは。マカイバリジャパンの石井です。
  今週は配信が遅れまして申し訳ございませんでした。10月に入り、朝夕涼しくなってまいりました。 今朝は目を覚ますために熱い紅茶をいれました。いつもよりも茶葉を多く入れて、濃いめの紅茶をつくりました。 今日はいつもに増して紅茶がおいしく感じられました。発酵したお茶は体を温め、体温をあげるそうです。寒い日には熱い少し濃いめの紅茶がおすすめです。


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INDEX
■マカイバリ茶園のバイオガス
■茶園主ラジャ氏からのメッセージ
■ラジャ氏の原文(英語)
■最後に
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■◇■マカイバリ茶園のバイオガス■◇■
  日本では現在「狂牛病」が大きな問題となっています。牛肉の需要も大幅に減少しています。インドでは、宗教上の問題からヒンズー教の人たちは牛肉を食べません。牛は神の動物と認識されているからです。もちろん日常生活でも牛を敬っています。マカイバリ茶園でも牛は紅茶づくりのみならず茶園の人たちの生活に大変貴重な動物なのです。

  マカイバリ茶園では約900頭の牛をコミュニティーの人々(ラジャさんはマカイバリで働いている人のことを従業員とは呼ばず、コミュニティーと呼びます)が飼育しており、 年間1200tつくられる糞は、紅茶づくりの肥料になるだけでなく、 糞を水に溶かしてタンクの中に貯蔵し、メタンガスを発生させるなど、いろいろな場面で活用されています。 このガスを調理用のコンロやランプの燃料に使用しているのです。これにより、コミュニティーの人々が以前のように森の木を伐採して薪にすることがなくなりました。 20個近いタンクがコミュニティーの家の外に備え付けています。

  1971年にマカイバリ茶園が世界で初めてバイオガスを紅茶農園に導入しました。 原始的な方法ですが、自給自足の考えを実践している点で素晴らしいと思います。 ここではもちろん狂牛病など無縁です。マカイバリ茶園のホームページにその写真が載っていますのでご覧ください。
http://www.makaibari.gq.nu/firsts.html

■◇■茶園主ラジャ氏からのメッセージ■◇■  
今回はパンサー(豹)の話です。マカイバリ茶園には13頭の野生の豹がいます。豹は自分の餌を奪われたとき、必ず奪った者の家にきて家畜を奪い返すという言い伝えがあります。マカイバリ茶園で実際におこった話しです。

 私は先週西側の茶園にいました。そこは100エーカーの面積があり、その周りを200エーカーの亜熱帯の森林が囲んでいます。 標高は1,000mです。 (訳者注:マカイバリ茶園では670ヘクタールという広大の面積の3分の2を原生林のまま残し、残りを茶園として紅茶づくりがなされています) その茶園はナヤカマンと言います。 ナヤカマンに到着したのは丁度正午12時5分で、12時から1時の昼食時間の最中でした。驚いた事にその茶園に誰一人として茶摘み女性が居ませんでした。これはとても不思議でした。なぜなら、昼食後茶摘みを再開する迄数人の茶摘み女性が何時もいるからです。私は1時迄待ちました。更に驚いたことに、しばらくして彼女達は静かに職場に戻って茶摘みを始め、その目は笑っていました。私はその秘密がなにであるか見つけなければならなかったのですが、誰も口を開こうとはしませんでした。私はその茶摘み地域の監督者に会い、彼にその秘密を探り出すよう指示しました。 夕方何時もの打ち合わせ時、彼が密やかに報告してくれた事によれば、茶摘み女性達は、パンサーが召し採っていたイノシシを横取りしたとのことでした。 そしてそのイノシシを隠し、昼食時皆で森に行って分配したのです。 監督者のルプラルは全くその分け前に与らなかったのでとても憤慨してました。

 パンサーの餌を誰が奪おうと、パンサーは必ず後でその略奪者の家にやって来て彼の家畜を奪い返すと言う ゴルカの神話があり、この神話をルプラルに皆に 話すようにと冗談まじりで話しました。彼は直ちにコイラパニ村に行ってこの話をしました。翌朝私の忠告を聞きにコイラパニからやって来た2人の女性を見て驚きました。 この二人が言う事には、コイラパニにパンサーが実際にやって来て、畜舎から2匹の山羊を連れ去ったとのことでした。二人は激怒したパンサーからこれ以上の被害を受けないよう、私がそれを防ぐ祈祷師を知っているか尋ねて来ました。彼女の夫達も壊れている畜舎からパンサーに山羊を奪われないよう恐怖を感じていました。なぜなら、夫達もその騒動を既に耳にしており、その夜は厳重にしていたからです。私は女性達に現地の祈祷師を呼んで、パンサーの召し採ったイノシシを奪ったところでお祈りをしてもらい、パンサーの怒りを 静めてもらうようにいいました。翌日は日曜でしたが、祈祷師は時間どおりに儀式を行いました。その祈祷により、パンサーはこれ以上家畜をとらないように なりました。

 この儀式は子供を含めてマカイバリの村の人々にとても重要なメッセージを授けました。それは「その人が苦労して得た食べ物を他人が奪う権利はない」ということです。今回の件が解決されて私はとても満足しました。人々にこのメッセージは深く残ると思います。

  来週まで今回の幸運を皆で分かちあいましょう。

ラジャ・バナジー


■◇■ラジャ氏の原文■◇■
 Last week, I was at the western side of the farm.There is 100 hectares of the tea,surrounded by 200 hectares of sub-tropical forests.It is at a height of 1000 metres. When I arrived at a section named Nayakaman, it was exactly five minutes after midday.This is the lunch hour-between noon and 1pm. I was surprised to note that not asingle plucker resting after lunch, before commencing work. I walked till 1pm,and was even more surprised to find all the pluckers return very quietly picking tea, although their eyes were not smiling. I had to get the secret put,and no one would tell me. I met the area supervisor, adn asked him to find put the secret. In the evening when we met for pur usual discussions, he quietly informed me that the workers had distubed a panther which had killed a wild boar. They had hidden it, and at lunch break had trroped off to the woods to share it among themselves. Ruplal the supervisor was indeed very angry that he had not got a share of the wild boar.

  Jokingly, I asked him to narrate an ancient Gorkha supetstition, that whoever steals the prey of a panther, it visit the house og the thief and takes away theik livestock. Imeediately he went off to Koilapane village and spread the old tale. Next morning I was suprised to see two ladies from Koulapani who had come to ask my advices, as the panther had actually visited Kolipani, and had actually carried away two goats from the thw ladies pen the previous night, and both householders had heard the commotion and stayed firmly bolted indoors. I informed the ladies, that they should call their local priests, and at the spot where the wild boar had been snatched by them and their friends, an offering of peace for the panthers angered spirit should made. The next day being a Sunday, this prayer was duly held by the entire village, and it was followed by a picnic for all who attended the ceremony.

  The panther's sprit it seems is appeased for there have been no futher lifting of livestock. More importantly,the ceremony was to impart a message to all members of the village, including children that no one has the ringht to steal someone else's hard earned food.I smiled with content at the success of the solution--that has far deeper reach.

   Till next week--may share your good fortune with all you hold dear to your heart.

rajah banerjee


■◇■最後に■◇■
 最後まで読んでくださりましてありがとうございます。 パンサー(豹)は猛獣ですが、マカイバリ茶園の人は襲われたことがありません。それぞれの領域を侵さないように生活をしているからです。動物と人間が共生していくためにはルールを守るということが必要です。人間社会でも同じですね。動物から学ぶことは多々にあるように思われます。

  ではまた来週  ご意見・ご感想お待ちしております。  tea@makaibari.co.jp

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