ガネーシャ通信
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 インド・ガネーシャ通信 NO.499 新型コロナウイルスが格差問題を一層拡大化へ
   
          2020.12・8

   https://www.makaibari.co.jp
    tea@makaibari.co.jp"

  インドをもっと知りたい方 必読!!! 
  
     <2001年8月3日創刊>

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◆インドで生活している人はどんな生活をしているんだろう。

デリー在住 インド人(元)インド・ネルー大学日本研究
センター・プレム・モトワニ教授が「日印文化比較」を様々な
角度からお届けしています。

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2020年最後のガネーシャ通信になります。

今年は1月から新型コロナ感染者が出始め日々の話題は
コロナでした。

一日も早い収束の願いとは、反対に日本でもインドでも
今日も感染者は拡大しています。

今年のモトワニ先生記事は毎回コロナ問題にかかわる内容でした。

今月号もコロナ問題です。

~メディアはすでにインド経済が「コロナ不況」から脱出しつつ
あると報道しているが、国民の生活水準がコロナ流行前の水準に
戻るのには何年もかかると思う。~ 本文から

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◇◆インド人からのインド便り No.85

   

インド・デリー在住    by-プレム・モトワニ
    (元 インド・ネルー大学教授)

  日印文化比較:
      新型コロナウイルスが格差問題を一層拡大化へ

 

新型コロナウイルスが世界に大きな脅威をもたらしている。

しかし、ワクチンができると、市場や経済が大混乱から
回復するのも速いと言われている。

しかし、通常経済の成長は「量」つまり、GDPや輸出等に
基づいて測ることが多く、「質」つまり、国民の生活水準の
向上が、特に新興国ではあまり話題に上らない。

そういう観点から言えば、先進国よりも後進国の経済の
回復にはもっと時間がかかりそうだ。

インドは正にその典型的な例である。

1991年の経済自由化以来インドは平均年率6%から7%の
GDPの伸びを記録してきたが、今でもインフォーマル経済
(非組織部門)に依存していて、インフォーマル部門に
従事している労働力が9割強である。

経済が減速化すると、その影響をもろに受けるのが
インフォーマル部門である。

ここ5年間で中国からの安価な製品の輸入のため、
110万人以上の非正規労働者が職を失ったと言われている。

当然ながら新規雇用創出も少ない。

その結果、インドの労働力は「質の悪い」サービス業へ流れ、
インドは世界的に見ても「ギグエコノミー」(インターネットを
通じた単発の仕事でお金を稼ぐといった働き方)大国になっている。

今回の新型コロナウイルス流行で真っ先に職を失ったのが
こういう人たちである。

例えば、旅行・ホスピタリティ(接客サービス)産業
(航空、ホテル、タクシー業界、外食等)だけを取り上げても、
数百万人の非正規労働者が失業したのである。

それから、もう一つインドならではの大きな産業は結婚産業である。

年間120万から130万件の結婚式が行われ、年間の売り上げが
500億米ドル相当である。

通常、平均招待客数が250人から300人に対し、コロナウイルス
流行後上限が50人に設定され、結婚を見合わせる人も少なくない。

そして、規模も全然違う。

例えば、楽団を使うこともないし、Destination wedding
(リゾート地で行う結婚)もなければ、ウェディングプランナーを
使うこともない。

その結果、結婚産業だけでさらに数百万人が職を失ったと
言われている。

それ以外に、屋台なども制限されている上、外食を控える人が
多いため、社会的弱者への影響が今でも続いている。

要するに、経済が栄える際その波及効果で貧困層から
脱出した人たちが再び貧困線以下にズレ込んだのである。

ILO(国際労働機関)によると、インドだけでそういう
人たちの人口が4億人にも上る。

メディアはすでにインド経済が「コロナ不況」から脱出しつつ
あると報道しているが、国民の生活水準がコロナ流行前の水準に
戻るのには何年もかかると思う。

そして、規模は違うが、アメリカや日本を含め先進国でも
全体的に生活水準が大きく逆戻りしたことはいうまでもない。

           (了)

 

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【読者の感想】

コロナは心身だけでなく、経済にも大きな負の影響を与えています。

失業したり、倒産したり、心が砕けてしまうような体験を多くの人が
していますが、やはり一番重要なのは生きる力です。

明けない夜はありませんから、助け合って生き抜きましょう。

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【最後に】

今年も1年間ご愛読ありがとうございます。

執筆者のモトワニ先生は、今年インドで本を出版されました。

11月には日本大使館から今年度の旭日章(勲三等旭日中綬章)を
授与されました。

原稿を送ってきてくださる時に、いつも
「皆さんはお変わりないことと存じます。
私たちも元気です。」
とのメッセージを添えてくださいます。

来年はどのような記事になるのか楽しみです。

少しはやいですが、皆さまどうぞよいお年をお迎えください。

来年もよろしくお願い申し上げます。

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★ 最後まで読んでいただきましてありがとうございます。

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